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風景画像①.jpg


         

写真撮影の構図は基本テクニックを抑える!凝り過ぎて大失敗! [構図]




写真撮影において、構図は確かに大事です。
最初は、基本テクニックを覚える程度にする。
意識しすぎると、大きな失敗をおかします!




構図を考えすぎるとダメ





地域の写真倶楽部で語り合いました。


年度替わりのためか、新しい人の参加が目立ちましたね。

男女合わせて、8人ぐらいでしょうか。

大学生も混じっていました。


今回は、写真を撮るにおいて、「構図」をテーマにしました。

最初のうちは、何をどう撮ったらいいのか、なかなか分からないものです。


そこで次の写真を見てもらいました。

皆さんは、この写真からどんな印象を受けますか?



サハラ砂漠.jpg




「テロの集団ですか?」

という学生さんがいました。

なるほど、覆面のようなもので顔を隠した怪しげな人物が乗って
走る「テロ集団」 に見えなくもないですね。(笑)


実はこの写真は、「二科会写真部」 の公募展で「二科賞=最高賞)」
を受賞した作品なんですよ。


10年ぐらい前のことです。


当時、私は、これを見た時、思わず

「エッ!?」

と、声が出そうでした。


こういう写真って、それまでも、あったかもしれませんが、
私は、初めて見ました。

ホントニおどろきましたね。


この写真は、実は 「サハラ砂漠」 で撮ったものなのです。



撮ったD(73)さんは、その地方へ撮影旅行に出かけていました。

今の高齢の方は、お金持ちが多いようですからね。

この人は、この地に、もう何度も足を運んでいるそうです。



当初、狙う目票は、「塩を運ぶラクダのキャラバン」
の写真だったそうです。


ところが、近くで待機していたDさんの前に、突然トラックが
現れたといいます。


「全く予想していなかった光景!」
にビックリしたそうです。


とっさにカメラを向けて撮ったのがこの写真です。


構図を考える暇などなく、持前のテクニックなど発揮する間
もなかったDさんは、夢中でシャッターを押したといいます。

その数枚のうちの一枚がこの写真です。

カメラは 「28~300ミリ」 のズームレンズ。


「画面いっぱいに配置された、はちきれんばかりの写真」 です。

一台のトラックに、大きさも形も全く違う荷物が 「これでもか」 というほど
載せられてており、その上に白い布で顔を覆った人たちが、
ギュウギュウ積めに載っている。


今にもずれ落ちそうな、それでいて、決して落ちはしない。

そんな気配が見て取れます。


この状況を画面一杯に収めたからこそ、
トラック満杯の様子が、いっそう強調され、と思われますね。



構図を考えるゆとりなどまったくない中で、
とっさに撮ったこの構図は、

写歴の長いベテランだからこそできた
「ハヤワザ」だったよ思われます。


「はちきれんばかり」 の非日常的状態を、画面いっぱいに
配した構図は、見事といえるでしょう。



写真の人たちは、

「正月前に出稼ぎ先から帰省する途中」

なのだそうです。

しかし、それにしても、
他国民族の生活感があふれていますね。


日本のバスのように、1時間に何本も走っているなら、
おそらくこんな状況は、生まれなかったと思いますね。


この写真では、ちょっと見にくいかもしれませんが、

「一人一人の表情、しぐさ、ガラクタのような荷物、砂ぼこり、・・・等々」

よくよく見てみると、様々なことを創造させてくれるじゃないですか。



皆さんも、もう一度よくご覧にになって下さい。



審査員の感想






ちなみに、審査員の評を載せておきましょう。



●  臼井薫(作家)


「こういう状況にぶつかることが、カメラマンとして、
最高の幸せだと思う。

そしてそこへ行く行動力が、二科賞につながったと思う。」




●  高橋扶臣男 = 写真家・花の分野を確立した。


「見る人の人生観までも刺激するような作品。

一次審査から、これはスゴイなと感じていた作品。」





●  川本貢功 = 島根を代表する風景カメラマン


「それぞれが、いろいろな思いで観賞できる作品。

私たちとの生活や文化の違い、情感、環境など
さまざまな要素を移していて、構図的にもこの
状況をウマク表現している。

撮影者の意図もよく分かる」





構図にこだわって失敗





以前 「相談メール」 下さった中に非常に構図のウマイ 「R」 さんという方がいました。


このブログでも取り上げたことがありましたので、
覚えている人もあるかと思います。



「R」さんのブログを見させていただいたのですが、どの作品も、
テクニックとしては、実に見事な構図をとっておられました。


ところが、写真を見ていて、全然感動が伝わってこないのです。

作品が死んでいるのです。


何故?  なぜなんだろう?  


よく見直してみると、


撮っている図柄はいいのですが、中に移っている人物の

表情にまったく変化がないのです。


あまりにも、写真の構図に意識が回り過ぎて

主役の人物に 「喜怒哀楽」 の感情と 「しぐさ」 の変化が

まったく、抜け落ちているのです。


私は

「仏を作って魂をいれず!」

とDさんに返事を差し上げました。


「D」さんは、「なるほど」 と、
納得してくださいました。


構図を勉強するのは、もちろんよいことです。

しかし、構図にとらわれ過ぎると、このような
大失敗をおかすことにもなりかねません。



確かに、配置によって写真が美しく見える構図は
あります。


初心者のうちは、構図の基本的なものを、知るにとどめておいた方が
私は、よいのでは? と感じています。


私も、はじめのころは 「黄金分割」 のみでした。

これで充分でした。


カメラテクニックや、情感(センス)が磨かれるにつれて、
知識を増やしていく、というのがいいのではないでしょうか?


いや、腕が上がるにつれ、自然に、より良い構図、
自分の思いに合う図柄というものを模索するように
なってくるように思います。


そして、しだいに、

「こんな感じがいいな!」

というように、自分にしっくりくるような図柄やフレーミングを
見つけるようになるものです。


例えば、カメラ雑誌 「フオトコン」自由の部で
年度賞 「1位」 になった主婦 「牛馬さん」 は、

「なにか、こう淋しい感じが出るような風に撮っているようです」

無意識のうちに、撮った写真がそんな感じになってしまうのでしょうね。

これは、長く撮っているうちに、誰もが、味わう感覚では
ないかなと思います。



初めは、やさしい構図の本で、構図の「定石」
を知る程度で充分ではないかと、私は思います。




それでは、今日はこの辺で・・・・。






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