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風景画像①.jpg


         

写真コンテスト1位!偶然のなせるワザ!一方それはダメとプロが言う!




カメラ雑誌の月例写真コンテストで「1位」を受賞した写真は、
とても偶然性に近いものでした。 それこそ写真の醍醐味だと
評されていました。しかし、あるプロ写真家はそれを良しと
しません。 果たして偶然撮れた写真は、ダメなのでしょうか?



この写真のどこがいいの?




次の写真をご覧下さい。


①「空中散歩」(白黒の部=日本カメラヨリ)
niwatori①.jpg





この写真は、カメラ雑誌「日本カメラ」のバックナンバーで

見つけた写真です。


月例写真コンテストで「金賞(1位)」を射止めた写真です。


あなたは、この写真を見てどう感じられますか?


私は、 「なんでコレが 1位 なんや?」


コレを見た当時の私にはどうしてもわからなかったです。

入選なら、まあいいかな?なんて、内心感じていたのです。


家並みを見ると、どうも農家が多い集落の一部を

撮った写真でしょう。


農家には「鶏・ニワトリ」を飼っている家はけっこう

あります。


私も、子供の頃、住んでいたのは田舎の家で、

ちょうどこの写真で見るような「鶏」を数羽飼っていました。

エサをやるのは、子供である私の役目だったのですが、

たまに、外へ出してやると、嬉しいのか、はしゃいで

走り回っていました。

時には、飛び上がるような恰好をするのもいました。


そんな記憶があったからか、この写真の「ニワトリ」が、

宙を飛んでるような姿も別にそれほど感じるということは

なかったのです。


ただ、

「なんで、屋根の上にニワトリがいるんやろ?」

という素朴な疑問が沸いて、その理由を頭のなかで、

しきりに考えていたのです。


「想像力が貧困だからだよ!」


なんて言われそうな気がしますが、この写真が

1位になるほどの「良さ」が、どうしても、わかりませんでした。


それでは、1位になった理由を審査員の「評」から

みてみましょう。


評者は、「長野重一」 というドキュメント畑の

有名な写真家です。


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映画にも関わり、カメラマンとして、

参加したりもしています。

賞としては、「伊奈信夫賞」を受賞した写真家でもあります。


カメラ雑誌によく登場するカメラマンとしては、

・英伸三
・山内道雄
・北島敬三

などが同じ受賞者として、一般に知られているカメラマンですね。


それでは、評にうつってみましょう。



「 真昼のひとけのない住宅地の空を 鶏 が飛翔しています。

まるで夢の中のできごとのような現実離れした光景です。
こんな光景を見たことがありません。
白昼夢とでもいうのでしょうか。 




・・・・・・めったに出会えない一瞬を、作者は巧みに表現に

結びつけました。

白い空を活かした優れた構成も、表現を夢にあるゆたかなものに

しています。

丹念な、プリント仕上げも素晴らしいです。 」


ーーーーここまで



どうでしょうか?

「うん、そうか?」 とうなづく人。

「偶然、飛び上がったニワトリに出くわした幸運か?」

と思ったひと。


「自分も分からん」 と感じた人。


他にも、いろいろな感想を抱かれたことでしょう。

ベテランの方なら

「ああ、オレは、この感じよくわかるよ!」

とヒザを打つ人もあろうかと思います。


では、審査員の長野重一さんは、どんな思いで

この写真を1位に押されたのでしょうか?



偶然の一瞬の醍醐味!!



次の写真は、審査が一段落して、一息

入れておられる「長野重一」さんです



nagano①.jpg



それでは、冒頭の1位になった写真に触れておられるところを

抜粋してみましょう。



・・・・この状況は、絵や文章を使って表現しようとしても、

この写真程鮮烈なイメージを表現することは、困難でしょう。

・・・・偶然の一瞬が作り出す時間空間の意味をとらえ、

それを表現に結び付けるという、写真表現だけができる

” 醍醐味 ” を味合わせてくれる一枚です。



とあります。



これを読んだ時、私は、とっさに

「絵なら、できるのでは?」

と思いましたが、よく考えると、絵を描く人の側に、


そういう「発想」が浮かんでくるかが問題ですよね。



「長野重一」さんは、最後にこう述べています。


 写真を撮るとき、

いつも私がこころがけていることがあります。

それは、私が、発見したものの中に、偶然にとびこんでくる

プラス・アルファの現象を、表現にとりこむということです。


そうすることで、その表現は、私の発見した表現を越えて、

より豊かな意味をもったものになります。


そうした写真を撮れた時が、私にとっての


” 至福 ” の時です。 」



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