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風景画像①.jpg


         

意図して撮る写真(テーマ性)と偶然撮れた写真(偶然性)の価値は?




カメラマンにはテーマを持ち、自分の思いを伝えたいと
意図的に写真を撮る人が多いのが普通だろうと思います。
ある風景に、たまたま光がさし込んで、傑作になる写真
ができる場合も、時にはありますが・・・・・・・。




私が初めて入選したとき!





「・・・何をどう撮るのか、よく考えて撮ろう・・・」

よく、言われることですよね。


たくさんの「カメラ雑誌」が出ていますが、

開けば、必ずこんな言葉に出会います。




私は、学校の最初の授業で 


「これから外に出て好きなものを撮ってこい」


と言われた時、

他の生徒たちと、外へ出たのはいいけれど、

それから、いったいどうしたらいいか、途方に暮れたのを

おぼえています。



しかたなく、おとなしそうな女学生のあとを、

知らないふりをして、数メートルぐらいあとを

ついていったことがあります。(ストーカーみたいですねえ)苦笑!


以前にも、書いたことがあると思うのですが、

その時の私は、ホントに、何もわからず、

その女学生の撮っているものを、マネして、

撮ってやろうと内心では、思っていたのでした。



私の最初の撮影はそんな出だしから始まったのです。

このブログに書くのもはばかられるような


「写真音痴」だったんです。 (苦笑)


そんな私が、やがて、独学に切り替え、最初、

「見よう見まね」で「カメラ雑誌」を頼りに

必死で、撮る練習を続けました。



しかし、応募をするようになってからは、どうしても、

最初、入選しませんでした。

入選どころか、一次予選さえも通らないのです。



「なぜか?」 「なんでなんだろう?」



私は、真似た「入選写真」の評をもう一度見直しました。

何度も何度も見直しました。



そして、また街中に撮りに出ました。

すると、いい天気でしたが、少し雲行きがあやしくなって、

風が出てきました。

行き交う、歩行者があわてだしました。

その時、私のすぐ前に2~3歳ぐらいの坊やが

落としたおもちゃを拾いに走って来たのです。

コロガルおもちゃを止めて拾った瞬間の


「その子の笑顔!」


わたしは、夢中でその子にカメラを向けました。

シャッターさえ押せばよいように設定してあったので、

5枚ぐらい連続で撮っただろうと思います。



なんとその写真が、カメラ雑誌のスナップの部で

「1位」 に入っていたのです。

その時の写真は、今はもうありませんが、

こんな感じに似ていました。



台風の橋1位.jpg


この写真は、前にも使わせていただいたものですが、
設定としてはよく似ています。(原画はハッキリでています)

不鮮明ですが、通行人が急な風に吹かれて、帽子に手をやったり、
うつむいて、前かがみになっている様子が伺えると思います。


この写真の一番手前あたりに、子供が走り寄って来たのでした。

なんとかイメージしてみて下さいね。


今考えれば、これは、偶然のなせるワザでしかありません。

おそらく、風がふいていなければ、子供がおもちゃを

落とすこともなければ、追いかけてそれを拾うことも

なかったでしょう。


ということは、その子を撮る機会もなかったということです。

いわば、みな 「偶然の所産」 といえるわけです。



それ以前も、「森山大道」とか「アラーキー」とか

話題のカメラマンが、


「・・・写真なんて偶然なんだ・・・」


と物議をかもしていたことがあったように思います.


もしかすると、他のカメラマンだったかもしれません。


私自身も、私なりに、

「写真の偶然性と必然性」 については、

それ以来、考えることが多くなりました。



しかし、前回の 「長野重一」 さんのように、

次の写真を激賞して、


niwatori①.jpg



こういう写真が取れた時は


nagano①.jpg



「至福」 だとまでおっしゃるのには、


正直驚いたものです。



以来、ボクは「偶然」というものを改めて

考えさせられました。


今でしたら、上の 「空中散歩」 という「ニワトリ」の

写真が 「1位」 になったことに、それほどの

驚きは感じません。

「なるほど、それもありやな~・・・」 と思います。


いや、そう思える 「感覚」 が少しは、養われてきたのかもしれないな

と思います。


なんか、こんなことを言うと、キザナ感じがするかも知れませんが、

そうではないんです。



何度も、何度も言いますが、写真に全く無知で、

興味すら持ったことなかった私が、「カメラ雑誌」 のみを頼りに、

闇のなかを、てさぐりで「ヨチヨチ歩き」に進んできたのです。


「やれるだろうか?」 「こんなことでプロになれるんだろうか?」


もう、「不安」 だらけでした。


そんな私が、


前々回取り上げました写真 「空中散歩」 を以前(十数年前)、


niwatori①.jpg


初めて見た時、「なんでこれが 1位 なん?」 

ふとそう思いました。


しかし、


「長野重一」さんは、最後にこう述べています。

その部分をもう一度、掲載してみますね。



 写真を撮るとき、

いつも私がこころがけていることがあります。

それは、私が、発見したものの中に、偶然にとびこんでくる

プラス・アルファの現象を、表現にとりこむということです。


そうすることで、その表現は、私の発見した表現を越えて、

より豊かな意味をもったものになります。


そうした写真を撮れた時が、私にとっての


” 至福 ” の時です。」



この気持ちが、今の私には、ものすごく分かるのです。

誤解を恐れずに言えば、

「これも 長野重一 さんの持ち味なんです。

個性といってもいいでしょう。」


私は、そう理解しています。


あなたは、どう思われるでしょうか?



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