カメラ雑誌:初心者&中級者OK!親切でプロへ導くダントツの面白さ!
カメラ雑誌は初心者や中級者でも楽しめることが一番です。
親切さ面白さでは他紙にはない特徴があり、さらに、プロ
へも導いてくれるダントツの構成を誇るカメラ誌をご紹介!
広告写真の厳しさに挫折!
前回も話しましたように、私は、大阪で、一人の
女性カメラマン「A」さんと会うことになりました。
Aさんは、2年制の写真専門学校を出て、ある広告会社に
就職しました。
この会社は、雑誌類の広告依頼が多い会社だったらしく、
仕事をするうえで時間に追われることが多く、
ハードなスケジュールに追われ続けていたそうです。
撮っていた広告写真は次のようなものです。
①
②
参考までにテレビ 「CⅯ」 の写真を載せてみましょう。
Ⓣ
8ニコンの CM =木村卓也)
Ⓣ
(オリンパスのCM=宮崎あおい)
雑誌とか新聞は発売日が決まっており、
この日程は絶対動かすことができません。
カメラマンは、時間内に、PR写真の、
アイデアをひねり出し、クライアントに提出しなけらば
なりません。
チーフカメラマンがそのほとんどを担っているわけですが、
彼女も、同じように、自分のイメージやアイデアを
考えていきます。
この間、時間との闘いだそうです。
ヒラメくタイプででない彼女は、日々悩んだと言います。
そのような、悶々とする中、メールを下さったのが、
1年前だったのです。
「・・・やめて、1から出直したい・・・」
という意味の文が連綿とつづられておりました。
カメラ雑誌は最高の学校!
私は、
「勤めを続けながら、独学で勉強をし直すこと」
を、彼女にススメました。
コマーシャルのように、神経をすりへらすより、
じっくりと自分の「感性」と「撮り方」を
育て上げていく方法を、ススメしたのでした。
ところが、独学をするまでは、承知したのですが、
教材として、「カメラ雑誌」 を使用することには、
かなり「抵抗」があったようです。
一度プロとして働いてきた彼女にしてみれば、
いまさら、アマチュア向けの「カメラ雑誌」を教材にすることは、
プライドがゆるさなかったようです。
しかし、それは大きな考え違いでありことを、知ってもらいました。
かつて、「土門拳=写真界の巨匠」 がカメラ雑誌「フォトアート」の
コンテスト評で、
「 月例こそ君たちの最高の学校なんだ! 」
「 何を、どう撮りたいのか? 」
「 それを、トコトン考え抜いたのか? 」
と熱く語っていたのを私は今でも、忘れることができません。
「フォトアート」というのは、初心者向けであり、
アマチュアの中級者向けの「カメラ雑誌」でしたが、
のちに、廃刊になりました。
私は、先輩から譲り受けたその「カメラ雑誌」を、
すべて震災で無くしてしまいましたが、
その頃の、「土門拳」について、他のカメラ雑誌などで、
取り上げているのを、何度か見たことはあります。
そんなのを見ると、以前の、カメラ雑誌のコンテストは、
今にない、厳しさと愛情があったように思えますね。
そういえば、こんな人もいました。
「八木原茂樹・やぎはらしげき」というプロですが、
審査評では、
「何故、ここに、こんなものがあるんだ?
その意図は何なんだ?」
と、その写真を撮った者に語りかけるようにして、
プロとしての想いをすべて、評の中に吐露しているのです。
「君の写真のこの場面は、こうした方がいいとは思わないか?」
「被写体に真剣に向かい合ってもう一度撮り直して、
応募してみて下さい!」
言葉の一つ一つが、グイグイとせまってくるのです。
はらわたにこたえる感じの評でした。
「八木原茂樹」というカメラマンも、「カメラ雑誌」の
月例コンテストで勉強されて、プロのなられた人でした。
農村や祭りの取材を得意分野としておられました。
最近では、こういう審査員は、ほとんど見なくなりましたね。
これが、時代の流れというものなのでしょうか?
カメラ雑誌は「フオトコン」誌をススメました!
Aさんは、もはや、初心者ではありません。
広告のジャンルで働く、プロカメラマンなのです。
そんな人に、初心者向けを含む、中級者向けの
「カメラ雑誌」を 私は、あえてススメタのでした。
Aさんは、一応私の勧めを受け入れてくれて、
カメラ雑誌「フオトコン」をつかうことになりました。
もう1冊、独学に必ず役立ってくれると思う本を紹介しておきました。
これまでも何度かブログでもご紹介したことのありました。
「一生懸命フオトグラフアー列伝」
http://amzn.to/2reW6tc
「フオトコン」にした理由はあとで示したいと思います。
さらに、私は、2つの条件をくわえました。
① できれば広角レンズをマスターしてほしい。
② できるだけ、被写体に寄ること。
日常、広告写真の撮影に浸っている彼女は
「スナップ手法」
に慣れていないと感じたからです。
彼女は、① ② の条件を素直にうけいれてくれましたが、
これは、正解でした。
1年がたって、今回見せて下さったのが、次の写真です。
(テーブルに並べた写真をケータイで撮り直しましたので、
写りにやや、おかしな部分が認められますが、その点は
ご了解ください)
①
一転を見つめるかのようなまなざし。
手にしている笛のような楽器は中国伝来のものだそうです。
厳粛な雰囲気が指の形や、表情から、見事につたわってきます。
②
書をかいている老人は、その道の達人なのでしょう。
私は、Aさんに、寄って撮ることをお願いしましたが、
この写真は、至近距離まで寄ったかと思える程、近くで
撮っています。 筆に集中している雰囲気が充分
出ている傑作となりました。
③
Aさんの話では、この女性はモデルだそうです。
都会に出ていた女の子が、久しぶりに帰省した場面かな?
と、最初は思いました。
派手なコスチュームと坂の風情のコントラストは目を引きますね。
顔を下向きにして、表情を見えないようにしたのは、
Aさんの性格からきていることがわかりました。
こういう女の子の「明るい」表情は苦手なそうです。
これは、彼女の内面が表れたのかもしれません。
Aさん自身は明るい女性ですが、自分は、
どちらかといえば、ちょっとうつむき加減で
少し陰のあるほうが好きなのだと言います。
これは、明らかに彼女の「個性」ですね。
それから、この写真の右の坂道は、かなり奥まで
撮られています。
この遠近は「広角レンズ」の効果の表れでしょう。
女性を手前に、道の奥を深めた表現は、
女性だけを撮ったものより、広角の効果を
いかんなく発揮していると言ってよいでしょう。
見事な表現になったと思います。
Aさんは、この1年で、カメラ雑誌「フオトコン」によって、
スナップ手法を、ほぼ身に付けたと言ってよいと思いました。
これからは、コンテストに出すなり、テーマをもって、
「個展」 を開くなりして、実績を積んでいけば、
広告以外でも、必ずプロとしてやっていけると確信しました。
私は、Aさんと、固い握手をして、別れました。
「よかった! ホントによかった!」
別れたあと、梅田(大阪)の街をあるきながら、
一人胸を熱くしていました。
注1)
梅田というのは、その昔、今の大阪近辺を
「梅田=うめだ」 と呼んでいたらしいのです。
大阪と呼ぶ人もあれば、梅田と呼ぶ人もあり、
さまざまです。
注2)
カメラ雑誌
「フオトコン」
は初心者にとっても、中級者にとっても、
素晴らしい本であります。
その説明は、次回でお伝えしますので、
宜しくお願いします。
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